来月行われるエリザベス女王の即位70周年の祝賀行事が不穏ムードだ。

 チャールズ皇太子は不仲とされる息子ヘンリー王子とその家族に帰国をうながし、皇太子夫妻が住むロンドンの邸宅「クラレンス・ハウス」に招待したとされる。これには深刻な事情があると英紙サンが24日伝えた。

 ヘンリー王子側は英政府が帰国時の警察による警護を拒んだため、「安全上の懸念」により渡英は無理との意向を示している。それにもかかわらず、皇太子がヘンリー王子一家を自宅に招待した裏には、王子が出版を予定している自伝本の存在があると同紙は分析。

 ある関係者は「クラレンス・ハウスで今話題の中心は、ヘンリーの本がどれほどの風評被害をもたらすのかという点」とした上で、「特に不安視されているのが、王室入りしたカミラに対するヘンリーの記憶と、チャールズとの長きにわたる不倫関係が幼少期のヘンリーをどれだけ傷つけたかだ」と説明した。

 さらに「ヘンリーは亡き母と母が残してくれたものを一心に愛し、守ろうとし、父親の偉大な愛を奪い取ったカミラを許していない」と指摘。そのことからチャールズ皇太子は、ヘンリー王子が著書の中でカミラ夫人を悪人に仕立て上げ、非難することを最も恐れているというのだ。

 また、同紙によればヘンリー王子は金銭的援助を断ち切ろうとした父に対して今も怒り心頭だという。公開されている王室関連資料には「チャールズ皇太子が援助を止めようとした事実はない」ことが記されているにもかかわらずだ。

「チャールズはヘンリーを自宅に泊めることで、本についてゆっくり話し、執筆に必要なことがあるか聞いてやることを考えている」と同関係者。つまり、著書の内容を事前に把握しておきたいということだ。「そして何より、孫のアーチーとリリベットに会うことを心待ちにしている」と付け加えた。