英国に滞在した際、警察の警護が認められるよう英政府相手に提訴準備を始めたと報じられるヘンリー王子について、米誌ニューズウィーク(電子版)は16日、法廷闘争になれば王子と家族は来月即位70周年を迎えるエリザベス女王のために計画されている祝賀行事に出席できない可能性があると伝えた。

 英メディアなどによると、ヘンリー王子は自身や家族が「ネオナチや過激主義者らによる脅迫にさらされている」と主張し、帰国した際の警察による警護について英政府に、「費用は自腹で払う」と提案したが、断られたことから法的手続きを開始した。王子は「警察による警護がなければ帰国できない」と訴えている。

 女王の即位70周年を祝う行事は今夏に計画されているが、裁判になれば行事日程までに決着が望めないため、帰国できないだろうというのだ。

 ニューズウィーク誌によると、ヘンリー王子が最初に英政府に対して警護要請をしたのは昨年9月。王子側は英国に滞在する際、家族の安全を確保するため個人的に警備員を雇ったとしても、それだけでは不十分だとして英警察による警護を求めた。

 王子の法務担当者は、「ヘンリー王子は生まれた時から生涯、安全上のリスクを背負っている」とし、上位王族から引退後も王位継承順位は6位だと主張。だが、政府は警察による警護も王子側が費用を負担することも拒んでいる。