俳優の谷原章介がMCを務める「めざまし8」(フジテレビ系)で17日、東京大学前で大学入試共通テストの受験生ら3人が刺され、名古屋市の高校2年の少年(17)が逮捕された事件について、元大阪府知事の橋下徹弁護士が言及した。

 事件は15日午前8時半ごろ発生。少年は約10分前には近くの地下鉄東京メトロ南北線東大前駅の構内や走行中の車両内など8か所で不審火も起こしていた。

 少年は逮捕後「医者になるために東大を目指し勉強したが、成績が上がらず自信をなくした」「医者になれないなら自殺しようと考え、自殺する前に人を殺して罪悪感を背負って切腹しようと考えた」などと供述した。

 橋下氏は「少年事件ですから、刑事事件にならない限りは社会的な更生を目指していくのが第一目標になるんですが、ただあまりにも身勝手すぎ。今、自己責任というと批判される風潮があるんですけど、基本的には人生は自己責任が原則であり、ただ家庭の経済環境や親の虐待問題などあるから、社会がサポートしなきゃいけないけど、自分の人生を歩むうえでいろんな悩みがあるかわからないけど、社会の責任にするというのは違うよということを明確に言っていかなきゃいけないと思う。自己責任というと冷たい言い方だからといって自分の責任じゃないんだよという部分が強くなりすぎているという風潮を、危惧しています」と見解を語った。

 少年が通う高校はコメントを発表し「昨今のコロナ禍のなかで学校行事の大部分が中止になったこともあり、学校からメッセージが届かず、正反対の受け止めをしている生徒がいることがわかりました。密をつくるなという社会風潮のなかで、個々の生徒が分断され、そのなかで孤立感を深めている生徒が存在しているのかもしれません」とコロナ禍の状況が事件に影響した可能性を指摘。

 橋下氏はこれに「人生僕ら振り返ってみて目標、目的通りにすべてうまくいったことなんてないじゃないですか。いろんな選択肢があって、一つ目じゃなくても二つ目でも三つ目でもいいわけで、そういうことを子供たちに教育現場で教えていくことをしっかりやってもらいたい。悩みがある生徒を救ってあげるという基本的なところ。ただ原則として自己責任だよというところもしっかり教えなきゃいけないと思う」と分析した。