1960年代に活躍した女性ボーカルグループ「ザ・ロネッツ」のリーダーで、メインボーカリストのロニー・スペクターさんが12日(日本時間13日)、がんのため亡くなった。78歳だった。ロニーさんの公式ウェブサイトが明らかにした。

 ロニーさんは1958年に姉と従妹と3人編成のグループを結成。当初は「ダーリン・シスターズ」として活動していたが、後にロネッツに改名し「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれた独特のサウンドで一時代を築いた名プロデューサー、フィル・スペクターの「フィレス・レーベル」に所属した。

 フィルの秘蔵っ子的グループとして63年にリリースした「ビー・マイ・ベイビー」は全米2位の大ヒットを記録して、一気にスターダムに躍り出て、他のガールズグループに大きな影響を与えた。その後も「恋の雨音」「ベイビー・アイ・ラブ・ユー」などのヒット曲を飛ばし、当時のポップス界のアイコンとなり、女性ボーカルグループの黄金時代の中心となった。
 
 66年にビートルズ最後のツアーとなった北米コンサートツアーのオープニングアクトを務めた後に解散した。私生活ではプロデューサーのフィルと68年に結婚し、72年に離婚。73年からソロ活動で再起した。2007年には「ロックの殿堂」入りを果たしている。

 ロニーさんの公式サイトでは家族の声明文として「私たちの最愛の地球の天使、ロニーはがんとの短い戦いの後、今日この世界を平和的に去りました。彼女は家族と一緒にいて、夫のジョナサンの腕の中にいました。彼女は目のきらめき、元気な態度、ユーモアのセンスと笑顔で人生を生きました。彼女は愛と感謝に満ちていました。彼女の音楽、魔法のような存在感は、すべての人の中に生き続けるでしょう」とのコメントが掲載されている。