世界一の大富豪イーロン・マスク氏 新疆ウイグル自治区にテスラ代理店を出店し大波紋

2022年01月05日 14時33分

イーロン・マスク氏(ロイター)
イーロン・マスク氏(ロイター)

 世界一の大富豪として知られる米電気自動車大手「テスラ」のイーロン・マスクCEO(50)が、北京五輪の開幕を目前にして新疆ウイグル自治区に同社の代理店を出店して大きな波紋を呼んでいる。

 テスラ社は昨年の大みそかに中国版ツイッター「ウェイボー」で「ウルムチにテスラセンターが正式オープンした」と発表。開所式のイベントの様子や伝統的な獅子舞を用いて踊る参加者の姿などの写真も投稿された。

 ウルムチは新疆ウイグル自治区の中心都市。同地では中国政府による深刻な人権侵害が問題視されており、この問題を理由に米国や英国、オーストラリアなどが北京五輪の外交ボイコットを表明するなど世界を舞台にした火種になっている。

 そうした背景から、米国ではマスク氏に対する批判が噴出。国際的な影響力を持つ米経済紙「ウォールストリートジャーナル」は「テスラが、米国でジェノサイド(集団虐殺)疑惑の渦中にある中国の新疆ウイグル自治区にショールームを開設した。電気自動車メーカーは、欧米の企業を巻き込んだ人権紛争に巻き込まれるリスクがある」と批判的に報道。

 北京五輪を前に、騒動の震源地である新疆ウイグル自治区にあえて出店したマスク氏の決断を疑問視した。

 マスク氏は以前から〝親中派〟と指摘されることがあり、米中貿易戦争の真っただ中の2018年には上海に初の海外生産拠点となる大規模投資を決定。それ以降、中国当局の全面的支援を受けている。テスラの生産車両の半分以上が上海工場で製造されているとの推計もあり、中国依存が高いとみられている。

 マスク氏は米国トップの実業家だけに、今回の騒動は北京五輪も巻き込んで大きな物議を醸しそうだ。

関連タグ: