グランジロックの教祖的バンド、ニルヴァーナ(1994年にリーダーのカート・コバーンの自殺により解散)が、91年にリリースした大ベストセラーアルバム「ネヴァーマインド」のジャケットでモデルになったスペンサー・エルデン氏が、乳児期に裸の写真を使用されて利用された事実は「性的搾取」に当たるとして提訴した裁判で、米ロサンゼルスの連邦地裁は3日(日本時間4日)に訴えを退けた。英「NME」誌など複数の海外メディアが報じた。
被告側の訴えの棄却の申し立てに対し、原告側が期限までに対応しなかったことが理由だという。一方、同地裁は原告に対して、13日までに訴えを修正する猶予も与えている模様だ。
「ネヴァーマインド」は発表当時、全米1位を記録。グランジロック、オルタネイティブロックブームを全世界的に広めた名盤。現在まで全世界で4500万枚を売上げている。全裸の赤ん坊が水中で1ドル紙幣に釣られそうになるジャケットも話題になった。
現在30歳のエルデン氏は昨年8月に訴えを起こし「意図的に原告の児童ポルノを商業的に販売し、画像のショッキングな内容を利用し、原告を犠牲にして音楽を宣伝した」と主張していた。発売元のユニバーサルミュージック、カメラマン、ニルヴァーナのメンバーらにそれぞれ15万ドルの賠償金を支払うよう訴えていた。