今夏の東京大会を運営した東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長が8日、来年2月の北京五輪への「外交的ボイコット」が立て続く現状に言及した。

 この日、武藤事務総長は国際オリンピック委員会(IOC)の理事会に出席し、東京大会の総括などを報告。その後の会見で、米国やオーストラリアが中国の人権侵害を問題視して政府代表らを派遣しない方針を打ち出したことについて質問が飛んだ。武藤氏は「今、大変話題になっていますが…」とやや躊躇(ちゅうちょ)しつつ「組織委がこの問題をコメントする立場ではないと思っています。あくまでも政府の外交の問題。われわれからはコメントしないということでご了解していただきたい」と話すにとどめた。その一方で、北京大会の運営については「さまざまなレベルでわれわれのノウハウを伝えています」と話した。

 北京五輪を巡っては、6日にバイデン米政権、8日にはオーストラリアのモリソン首相が「外交ボイコット」を表明し、波紋を広げている。