立憲民主党の泉健太代表(47)は8日に衆院本会議で行われた岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問を行い、与野党初論戦を繰り広げた。

 泉氏は事務費だけで900億円が見込まれる18歳以下の子どもに現金5万円とクーポン5万円分を給付する政府方針について質問した。

 岸田首相は「クーポン給付を原則として検討していただきたいと考えているが、地方自治体の実情に応じて現金での対応も可能とする」と話し、クーポンではなく全額の現金給付を一定程度容認する考えを示した。給付に向けては「地方自治体のご意見を伺いつつ、具体的な運用方法を検討してまいります」との意向を示したが、一括給付にするかについては明言を避けている。

 終了後、泉氏は「岸田総理は所信表明のなかで、いろんな言葉を使って期待を持たせるんですが、実際は、そこから深掘りしようと思って質問してもですね、所信表明の域を超えない。これは非常に残念でした」と振り返った。

 松野博一官房長官は、政府が経済対策で実施する18歳以下への10万円相当の給付について、現金5万円と同額相当のクーポンの支給は、目的が異なる別事業であるとして「一括での給付は想定されていない」とした。

 泉氏は「何の意味があるんですかね。(クーポンと)現金をわざわざ分けて支給する、その心はなんなんですかね。政府側も本来の趣旨、目的があいまいだということからスタートして混乱しているんじゃないかと思います」と語った。