女優・大竹しのぶ(64)が1日、大阪市内で舞台「ザ・ドクター」(2日~5日=兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール)の取材会を開いた。

 2019年にロンドンで初演され、イギリス演劇界で最高評価を得た話題作。ある少女の死をきっかけに宗教・ジェンダー・階級差など、あらゆる社会問題が大竹演じるエリート医師ルースに降りかかり、医師としての自分を見つめ直していくという物語だ。

 大竹が社会派現代劇へ出演するのは久しぶり。コロナ禍で「めんどくさそうと思うんじゃないかってのはよく分かる」とした上で、「何でもいいから感じて考えてほしい。劇場で見て何を感じるかは自由。役者さんがスゴイでもいい。まず劇場に来てもらって、そこから先は考えてもらったらいい」と呼び掛けた。約3時間の長丁場にも「謎が解けていくようになっている。見終わった時に『ふぅ~』となるかもしれない。3時間も一緒に緊張してくれた喜びに浸れると思う」と自信を見せた。

 大竹といえば、東京五輪閉会式で〝トリ〟を務め話題を呼んだが、仲のいい清水ミチコから「何で、何回も出たような顔してできるの? あがらないの?」と言われたという。

 脚本家の三谷幸喜氏からは「オリンピックだって知らなかったんじゃない?『この人はオリンピックだって知りません』とスーパーを出せばよかった」などと冷やかされたというが、大竹は緊張しなかった理由について「『子供と一緒に未来へ行こう。未来のために祈ろう』という目的がはっきりしていたから、上手く見せようとか失敗しないようにとか思わなかった。これからも目的に向かって走ればいいと思った。割とあがらない方だけど、ゴールが見えてればあがらないことが、ミチコさんに言われて分かった」と話した。