日本維新の会代表の松井一郎大阪市長(57)が25日、報道陣の取材に応じ、橋下徹元大阪市長(52)と維新の足立康史衆院議員(56)のバトルに介入していないと明言した。

 発端は新人議員が在職たった1日で支払われた文書通信交通滞在費100万円問題だ。維新の議員が問題視したのがきっかけで、日割り支給する方向で与野党はまとまっているが、橋下氏は10月14日まで議員だった前議員らにも矛先を向け「旧維新国会議員たちは、解散以後も、10月分の文通費、航空クーポン、秘書給与を丸々もらっていた。新人小野議員などが声を上げ、旧国会議員たちは大慌て。いまでは旧国会議員たちが改革派気取り。こういうのを維新国会議員団が大阪維新の看板を汚すと言う」とバッサリと斬った。

 これに足立氏は「日本維新の会は『改革派気取り』でなく『改革派』。気付いたら反省し直ちに党として判断する。コメンテーターの筋違いの批判、表現は、メディアの限界」と返答。橋下氏が国会議員団を批判するのはコメンテーターとして、バランスを取っているとして「テレビに出続けるための橋下さんの一流のテクニック」とまで、踏み込んだ。

 これにブチギレた橋下氏は「もっと世間の経験をしろ」「あんたの視点のままなら永久に維新の代表にはなられへんな」と猛反撃。足立氏も「維新の代表を決めることができるのは全国の党員だけです」と指摘した上で、橋下氏に謝罪と発言の撤回を求めた。

 ところが、メディアで一部始終が報じられると足立氏はトーンダウン。24日に「これ以上、橋下さんに関わることは、党のためにならない」と終結宣言した。

 突然の豹変ぶりに作家の百田直樹氏はツイッターで「松井さんあたりから、『もうやめとけ』と言われたのかな。いずれにしても、橋下徹氏もホッとしてることだろう」と予想。

 これを受け、松井氏は「足立さんがこの議論から離れるとか言ったことで、僕がなんらかの形でアドバイスしたんじゃないかとか報道で出ているが、この間、両方のやりとりをじっとみてきたが、誰にも個人的になんらかのアドバイスなり、指摘なりをやったことはありません」と述べ、介入を否定した。

 一方でバトルについては「礼節は守る中でどんどん活発な議論はやってもらいたい。いいんじゃないの。維新らしくて」と歓迎。

 足立氏もツイッターで「初めて、松井代表の介入という陰謀論(笑)があることを知りました。松井代表の指摘の通り、本件について代表と話をした事実はありません。私からも明言しておきます」とつづっている。