コロナ第6波の予兆が北海道に? 「ワクチン神話にしがみつきすぎ」と専門家が警鐘

2021年11月24日 11時30分

ファイザー製のコロナワクチン(ロイター)
ファイザー製のコロナワクチン(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染者数が日本で今夏、あれだけ増加したにもかかわらず、最近は1日あたりの新規感染者数が100人にも満たない日々が出てきた。しかし喜んでばかりもいられない。世界に目を向ければ、感染のピークの真っただ中にある国も存在するなど、まだまだ混乱は続いている。中にはこれからピークを迎えようとしている国もあるほどだ。果たして日本は、第6波を回避できるのか?

 東京都の新規感染者は22日、今年最少となる6人を記録。23日も17人だった。街には多くの人が繰り出して食事や買い物を楽しむなど、長らくステイホームを強いられたことがウソのような状況になっている。

 一方で世界に目を向けると、欧米ではジワジワと感染者数が高まりつつある。ドイツは過去最悪ペースで感染者数が増え続け、18日発表ではこれまで最多の6万5000人以上が新規感染。1日に200人以上が亡くなる日も増え、多くの病院が満床となっている。ちなみにドイツのワクチン接種率は日本には及ばないものの、人口の約68%が2回接種を完了。決して少なくない数字だが、過去最悪の感染の波が襲っている状況だ。

 人口約1700万人のオランダでは19日、1日あたりの新規感染者が2万1000人を超え、フランスでは1日2万人の新規感染が伝えられている。ベルギーも1日あたり約1万人。オーストリアでは全土ロックダウン――というのが最近の状況だ。

 ネット上には「欧米と日本の生活習慣の違いだ」として楽観する人も少なくないが、果たして本当にそうなのか? 医学博士で防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏は、「ワクチン神話にしがみつきすぎ」として警鐘を鳴らす。

「思っている以上にワクチンの抗体が長持ちしていない可能性が高くなってきた。欧米では日本より2か月ほど早くワクチン接種を開始したが、時間の経過とともに抗体が減って感染予防効果が落ちたと考えられる。これにならえば日本も最初に接種した人たちは、2か月後に抗体が減少して感染リスクにさらされる可能性が高い。政府は2回目の接種から8か月後をメドにブースター接種を進める考えですが、前倒しして行わなければ第6波は防げない」

 欧米で感染拡大している要因を「生活習慣の違い」とするには無理がある状況も生まれている。ワクチン接種率が約78%とほぼ日本と同じで、生活習慣も近い韓国では、1日の新規感染者数が3000人を超えるなど過去最悪の感染の波にさらされている。一方でブラジルやインドなどワクチン接種率が低く、一時は目も当てられない状態だった国が、感染をかなり抑え込んでいるという不思議な状況も生じている。

「もうそろそろちゃんとした検証をしなければならない。今のままでは感染者数が減ったのはワクチン効果なのか、人的交流を抑えたからなのか、酒の提供を規制したからなのか、ハッキリ分からない。第6波が来たときに、これらすべてをまたやるとなったら経済が持たない。いったい、どういう要因が感染の増減に関係するのか、WHO(世界保健機関)も日本政府も本腰を入れて調査すべき」

 古本氏によれば、日本での第6波の予兆はすでに、北海道の感染者がジワジワと増えていることに出ているという。確かにこれまで、北海道で増え始めてから全国の感染者数が増加する傾向があるのは事実だ。

 最近は「感染者数より重症者数が大事」とはよくいうが、古本氏は「一定程度、国民がワクチン接種をしているにもかかわらず、かなりの死者数が出ているドイツを見れば、感染者数は無視できない」と感染者数軽視の風潮に警鐘を鳴らす。第5波ではあっという間に大きな波にのみ込まれた日本。それを教訓にするならば“ワクチン神話”に浮かれず、万全の対策を取るに越したことはないだろう。

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