75歳の元中国副首相・張高麗氏に性的関係を強要されたことを告発した女子テニスの彭帥(35=中国)に関する一連の騒動を巡り、ネット上でも波紋が広がっている。

 中国では基本的にツイッターを使用することができないものの、共産党機関紙「環球時報」の胡錫進編集長は、22日の早朝にツイッターを更新。「国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らと中国の彭帥選手がビデオ通話を行いました」などと投稿した。

 当投稿は消息不明と大騒ぎになった彭の無事を海外にアピールしているとの見方が強い。しかし、海外からは「記者会見の生中継をしてもらうべきだ」「このツイートの皮肉さは、悲劇的に捉えなければ逆手に取って笑えます」「焦点をぼかそうとしないでください。中国の人たちはこの問題を知る必要があります」などと疑問の声が相次いでいる。

 一方で、中国版ツイッターのウェイボーでは彭に関する投稿が随時削除されており、厳しい情報統制が敷かれている。ただ、海外でツイッターを使う中国人からは「彭帥自身の声を聞く必要があります」「最終的に正義が果たされなければならない。国民の期待を裏切らないようにしてほしい」「今回の事件ではあえて加害者の名前を出さないのですね」などと批判されているのが現状だ。

 これらの投稿への反論なのか、胡編集長は再度ツイッターで「彭帥の身の安全を本当に心配している人にとっては、最近の彼女の姿を見れば、心配は解消されるか、ほとんどなくなる。しかし、中国の体制を攻撃し、北京五輪をボイコットしようとする人たちにとっては、どんなに多くの事実があっても通用しないのである」と持論をつづったが、依然として解決の糸口は見られない。