今年2月、メーガン妃が父親に宛てた私的な手紙を英大衆紙に不当に報じられたとして出版元を訴え、勝訴した裁判に対する被告側の不服申立てが今週始まり、問題の手紙は「そもそも公開される可能性を考慮して書かれたものだ」と主張した。英紙ガーディアンが9日伝えた。

 被告である英紙メール・オン・サンデーを出版するアソシエーテッド・ニュースペーパーズ社は、ヘンリー王子&メーガン妃の元広報官だったジェイソン・ナフ氏の証言を新たな証拠として提出。それによると、同妃は父親・トーマス・マークルさんが手紙をメディアに公開するのではないかと予見して書いたものだとしている。

 一審判決によると、手紙はメーガン妃が2018年の結婚後、トーマスさんに送ったもので、それをメール・オン・サンデー紙が翌年、「メーガン妃と父親の亀裂に関する真の悲劇を示す手紙」との見出しで抜粋を掲載。同妃側は記事が個人情報の悪用や著作権侵害などに当たるとして提訴した。

 判決は、手紙が「本質的に私的で個人的な内容」であり、これを報じるのは「明らかに行き過ぎで違法」とした。

 この判決を不服としてアソシエーテッド・ニュースペーパーズ社は上訴したが、控訴院は審理なしの略式判決を言い渡すことを決定。そのための被告側による申立てが3日間の予定で今週行われている。

 被告側は、手紙が父親だけに書かれた“私的で個人的な内容”だったとする一審判決の前提が、「新証拠により根本的な論点が覆った」とし、公開されることも視野に書かれたものだったと訴えた。