建築家の安藤忠雄氏(80)とミュージシャンの細野晴臣(74)が8日、大阪市の「こども本の森 中之島」が主催する「第2回セッション・イン・ザ・フォレスト」のトークイベントに登場した。

 同イベントは、いろんな職業のいろんな大人たちが子供たちに向けて、本のこと・仕事のこと・生き方のことなどを語り尽くすというもの。公募で集まった親子70人を前に、打ち合わせなし、台本なしのトークを繰り広げた。

 飾り気のないトークがおなじみの安藤氏は、子供から建築のことについて聞かれると「依頼者が言うてくることが都合悪かったら、聞かんようにしてる。それで無事に50年くらいやってこれた」とニヤリ。

 細野が「私も同じように『こういうのを作って』と依頼されて、無理難題言われることもありますけど、同じように聞かない。フリをする」と同意すると「芸術家というのは聞いたフリをしてると思わないと、だまされますよ」と笑った。

 そんな安藤氏が「音楽はできるだけ子供の時に聞いた方が心に残っている」と持論を述べると、細野は「その通り」とうなずいた上で、音楽を聴く環境も重要だと主張。「大きな音だと近所のことも気になるから、家ではあまり音楽を聴かない。車の中は理想的なリスニングルームで、プロのミュージシャンは車で聴いてる人は多いですよ。一度、コンビニの前に車止めて爆音で聞いてたら、通報されて警官が来てね。聴いてたのはカントリーミュージックなんだけど」と苦笑いした。

 安藤氏から「館長さんに頼んで、ここで音楽をやってほしいな」と「こども本の森 中之島」での音楽会開催を熱望されると、「いい音が出そうな構造してる。ぜひ、やらせてください」と力強く応じた。