自民党の石破茂元幹事長(64)は29日、衆院選(31日投開票)東京18区から立候補した長島昭久元防衛副大臣(59)を応援した。

 この選挙区は、長島氏と立憲民主党・菅直人元首相(75)による、かつての民主党議員同士の〝因縁対決〟で注目を集めている。石破氏は長島氏が自民党に入党する前から外交・安全保障の分野で切磋琢磨した旧知の中で、演説でもこう力が入った。

「相手(菅氏)は総理までやった。好きとか嫌いとか、主張が間違っているとか違うとかはあるけれど、総理まで務めた人を相手に自民党で選挙をする。極めて厳しいことだと承知しています。昨日言ったことが今日変わる党もあるし、なんでこれとこれ(立民と共産党)が組むという不思議なことがあるが、長島氏はまったく言うことが変わっていない。なせならば長島が信念の男だからであります」

 自民党は衆院選の終盤情勢で単独での衆院定数の過半数(233議席)維持が微妙な情勢だ。長島氏と菅の同選挙区については「この2日で無党派層が動く。どちらが大きくリードしているわけではない」(自民党関係者)という。

 石破氏は「自民党に追い風なんてまったく吹いていない」と警鐘を鳴らした上で「もっと誠実な政党であるべきです。間違ったことがあったら、素直にわびて責任を取る。より誠実な政党になるため、国民に信頼される政党になるため、その力を長島に与えてください」と訴えていた。