東京18区(府中市、小金井市、武蔵野市)から14回目の当選を目指して立候補している立憲民主党の菅直人元首相(75)は21日、JR武蔵境駅北口で街頭演説会を開いた。

 同選挙区は菅氏と自民党の長島昭久元防衛副大臣(59)による事実上の一騎打ちだと注目を集めている。

 当選回数で比べると長島氏6回、菅氏が13回と菅氏が圧倒。だが菅陣営関係者からは「激戦です。今回は『菅さんは長くやっているし、もういいじゃないか』と声を聞きいていますし…」と不安の声が漏れる。

 菅氏は街頭でマイクを握ると、聴衆に向かって「自民党政権は忖度政治です。私は総理大臣をやりました。(安倍政権のように)誰かをえこひいきして、この人にしようとかは、一度もやったことがありません」と訴えた。

 自身が考える政権交代については「一言でいえば、忖度が出来なくなる、忖度のない政治を(自公政権から)取り戻す。立民が政権を取った時、忖度はなくなるか? なくなります」。

 一方、長島氏は民主党の出身で、八王子市など東京21区が地盤だったが、17年に民進党を離党。その後は希望の党、未来日本と渡り歩き、19年に自民党に入党すると、同党元職の土屋正忠氏の勇退に伴い、党本部から国替えの打診を受けて東京18区からの出馬を決断した。

 2010年の菅内閣では防衛大臣政務官を務めた経験を持つ長島氏は〝仁義なき戦い〟をどう受け止めているのか。

「(菅氏の)背中は見えた。あとは追いついて追い抜くだけです」

 同選挙区では菅氏、長島氏のほかに無所属新人の子安正美氏(71)も立候補している。