民間シンクタンク「ブランド総合研究所」(東京)が先日、発表した2021年の「都道府県別魅力度ランキング」がいまだに波紋を広げている。44位の群馬県の山本一太知事が「法的措置も検討する」と述べた一方で、最下位の茨城県の大井川和彦知事は「痛くもかゆくもないというのが県民の本音ではないか」と受け流した。45位の埼玉県は漫画・映画「翔んで埼玉」で自虐をあけっぴろげにしたりしてきたため、通常運転だ。群馬県出身者たちの声を集めた。

 17日に放送されたフジテレビ系の情報番組「ワイドナショー」で、山本知事が、法的措置を検討すると発言したことが話題になっているが、コメンテーターのヒロミは「一番おいしいのは下位の方」と話した。

 同ランキングでは1位が北海道、2位が京都府、3位が沖縄県となっている。ヒロミは「上位は、みんな思うようなところじゃない? でもおいしいのは下位の方。真ん中へんなんか、何にも言われないんだよ」。

 実際、“おいしい”ようだ。中高生時代を群馬県渋川市で過ごしたチョコボール向井氏は「群馬県が注目されてうれしいですよ。群馬といえば、伊香保温泉、味噌饅頭、登利平の鳥めし。甘辛い文化ですね。甘くてちょっとしょっぱい。冬は寒い、海なし県。山ばっかりなんで自然と足は鍛えられるかなという感じでしたね」と懐かしむ。

 群馬県のご当地ヒーロー「超速戦士G―FIVE」の群馬テレビ版で、悪のボス役として出演したビッグファイタープロジェクトの越康広氏(前橋市出身)はこう語る。

「これを機に『超速戦士G―FIVEの逆襲』とかできたら面白いですよね。44位だったことに執着するより、1位だったものも知ってほしい。群馬県のキャラクター『ぐんまちゃん』は一時期はゆるキャラで、全国1位の時もありました」

 実際、群馬県が企画・制作した県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」は「ゆるキャラグランプリ2014」と、2005年「第一回全国対抗キャラクターコンテスト」で1位となった。テレビアニメ「ぐんまちゃん」が今月始まった。

 また、山本知事の出身校の後輩にあたり、渋川市出身の元鎌倉市議会議長中沢克之氏は「群馬は、子供のころから住んでいますと、当たり前に温泉があり、山があり、川があります。でも、群馬を離れてみると、その魅力に気づかなかったことに『もったいなかった』と思っています。子供たちは、群馬が大好きで、時間があると遊びに行っています」と話す。

 さらにユーチューバー「グンマーの馬野郎」は「群馬県低魅力問題はそのことにより逆に注目されて順位を上げる一因ともなったのだから、鼻息荒く逆上するのはどうなのかな? 上を目指す努力をする方がいいのではないだろうか。例えば、有名なミュージシャンを輩出しているから、そういった得意分野でアピールし、高崎市のようにアーティストを育て、羽ばたかせる環境でもつくった方がよほどありがたい。それ以前に県政でやることは山積してるのだから、自分一人の感情で無駄な時間とカネを不毛な裁判などで使うべきではない」と指摘している。