落語家の柳家小三治(本名・郡山剛蔵)さんが今月7日に心不全のため81歳で亡くなっていたことが分かり、演芸界は悲しみにくれている。

 1959年に五代目柳家小さんさんに入門した小三治さんは、2014年に人間国宝に選ばれた。落語界では師匠の小さんさん、桂米朝さんに次ぐ3人目の快挙だった。

 演芸関係者は「小さんさんは95年、米朝さんは96年に人間国宝に選ばれた。小三治さんは3人目だが、米朝さんとはかなり間が空いていた。『もう落語家が人間国宝になることはないのでは』というムードのなか選ばれたので、当時の落語界は大いに盛り上がった」と振り返る。

 ただ小さんさん、米朝さんもすでに亡くなり、小三治さんも亡くなったことで、存命している人間国宝の落語家は残念ながら1人もいなくなってしまった。同関係者は「落語界では『次の人間国宝は誰か?』と話題になるが、なかなか候補が挙がらないのが実状」と指摘する。

 小三治さんと並んで、人間国宝の候補と言われたのが桂歌丸さんだったが、18年に惜しまれながら亡くなった。そうなると、落語家で候補となるのは誰なのか?

「落語界への貢献度と知名度で言えば桂文枝、三遊亭円楽、春風亭小朝でしょう。でも3人とも人間国宝へのハードルは高そう。その理由は〝女性問題〟ですよ」(同)

 文枝は数年前、演歌歌手や一般女性との不倫が報じられたが、一切釈明することなく現在に至っている。一方、40代女性との不倫が報じられた円楽は、文枝と違って釈明会見を開き、なぞかけなどで報道陣を爆笑させた。芸能界では〝これぞ神対応〟などと絶賛されたが、「人間国宝にはふさわしくないと判断されてしまいそう」(同)。

 さらに小朝は、元妻である歌手・泰葉との離婚会見で「金髪ブタ野郎」と言われたうえ、昔のDVを暴露されている。

 女遊びは芸人にとって〝芸の肥やし〟と言われているが、人間国宝のためにはマイナスにしかならないのか?