激ヤセして影武者説が出るなど、何かと話題の北朝鮮・金正恩朝鮮労働党総書記(37)に今度は、日本が世界に誇る人気キャラクター「ハローキティ」のパクリ疑惑が浮上した。

 今月6日午後8時から朝鮮中央テレビが放送したニュースは、設立から5周年を迎えた万景台(マンギョンデ)革命史跡地記念品工場を正恩氏が訪問した話がトップネタだった。正恩氏の祖父である故金日成主席の生家が万景台にあり、この工場ではそこを訪問する人向けの土産を作っていたが、正恩氏の現地指導で発展を遂げ、今では人民生活の日用品を多数生産しているという内容だ。

 生産された日用品を紹介するシーンで何度か映ったのは、ハローキティの刺しゅう入り帽子。5年前の工場現地指導で正恩氏は「原料、資材の国産化を実現して生産を活性化せよ」「人民の需要を満たせ」と指示した。その成果がキティちゃんの帽子というワケだ。

 2014年に平壌市内の孤児院を現地指導した際には、子供たちが手にする食器をキティちゃんの絵柄入りで統一させた。これも正恩氏の指示だった可能性もある。

 正恩氏の母親は大阪生まれの在日朝鮮人2世だけに、日本のキャラクター文化はなじみがあるのか? 若かりしころに来日した際には、東京ディズニーランドで遊んだという情報もある。そんな過程でハローキティを気に入り、自国の子供や若い女性たちにも浸透させようというもくろみがあるのかもしれない。

「キティちゃんの他、クマのプーさんやミッキーマウスはしょっちゅう製品化され、官製メディアに映る。ただインターネットが禁じられた北朝鮮国民の多くは、外国で生まれた人気キャラクターだと知らない。おそらく朝鮮名の愛称で呼ばれている可能性が高い」と北朝鮮事情通は指摘する。

 北朝鮮外務省は7日、ウェブサイトに日本研究所研究員の談話を掲載し、岸田文雄新首相が「最重要課題」などと意気込む拉致問題について「すでに全て解決され完全に終わった問題」と反論。「5年間の外相経験があり、我々の原則的立場を知らないはずがない」「最初のボタンからかけ違えれば、関係はさらに暗雲の中に陥るだろう」などとけん制した。

 同じく野放しになっている知的財産権も、日朝交渉で解決したいところだが…。