歌舞伎俳優の市川海老蔵(43)が6日、京都市の平安神宮で行われた京都平安大使就任式に登場した。

 新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けた観光文化都市・京都から、文化の力で日本を元気にすることを目的とした同大使。歌舞伎は京都発祥であり、日本の文化芸術界のリーダーとして海老蔵が就任した。

 海老蔵は「コロナ禍の影響を受けているなかで、京都の文化を盛り上げる起爆剤の一つにならないかとお話をいただき、荷は重いが奉納舞踊をさせていただくことになった。少しでも多くの方々に京都に足を運んでいただき、京都の文化を世界中の方々に見ていただきたい」と意気込んだ。

 奉納舞踊は11月6日に同所で開催。海老蔵が素踊り「三番叟」、長女の市川ぼたん(10)が「藤娘」、海老蔵と長男の堀越勸玄(8)が素踊り「橘弁慶」を上演する。勸玄は6月の京都・南座「海老蔵歌舞伎」で〝京都デビュー〟を果たしているが、ぼたんも今回、〝京都デビュー〟になるという。

 歌舞伎発祥の地での娘の初舞台に、海老蔵は「出雲阿国の銅像が四条河原にあるように、京都の地で『藤娘』というものを女性である市川ぼたんが踊るということは京都のテーマにふさわしいのではないか。親としては挑戦ですが、彼女も一生懸命やりたいという意思がある。昨今、男女平等ということもあり、そういう場を作っていくのは歌舞伎俳優ではなく、現在に生きる人間の立場として推進したい」と語った。