新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を導入している店舗に対し、都が認証を与える「徹底点検TOKYOサポート」の申し込みが急増している。

 緊急事態宣言が解除されたあと、飲食店が酒類提供を再開するための条件とされているためだが、消毒の徹底、アクリル板の設置や座席間隔の確保など20項目のチェック項目を都職員が現地確認する必要があることから対応が追いつかず、一部の飲食店関係者から不満の声が上がっている。

「認証店は午後8時まで酒類提供可で9時閉店。認証がないと酒は出せないし8時閉店。天と地ほど違うから『これはまずい』と電話で訪問点検希望を出したが、ものすごく待たされた」と話すのは都内の飲食店オーナー。

 電話口で「2週間ほど待ってもらっているのが現状」と担当者に言われたものの、都からのメールに「この機会にぜひ(訪問点検希望の)お申し込みください」と記されていたことを告げると「お待ちください」と電話は保留状態に…。

「10分以上待たされました。その間、ずっとビートルズのLet it beを聞かされて、よくよく考えたら『放っておけ』とか『そのままにしろ』っていう命令形の文章でしょう。こちらは生活がかかっているのに『放っておけ、放っておけ』と言われてるような気がして、怒りがこみ上げました」(同オーナー)

 電話の保留音は待たされる側のイライラを緩和させる狙いで、誰もが知っているクラシックやポップスが使われることが多いとされているが、こんな状況は誰もイマジンできないだろう。