タレントの新田恵利が、6年半に及ぶ実母の介護経験を著した「悔いなし介護」(主婦の友社)を出版した。今春に最愛の実母ひで子さんを自宅で看取るまで、なぜ後悔なく介護ができたのか、彼女自身の人生観とともにつづっている。

 新田は「本当は昨年の秋に出版予定でした。ですが、昨年の夏に母の具合が悪くなり『終末』という医師の言葉。執筆ができなくなりました。その後、母も元気になり、92歳の誕生日を迎えることができました。その時の心境や様子も本にしたためました」と語った。
 骨粗しょう症を患って、数年に一度、腰椎の圧迫骨折を繰り返していたひで子さんが2014年に圧迫骨折で入院した際、自分で立てなくなり、介護保険で要介護4の認定を受け、2世帯住宅で独身の兄とともに介護生活が始まった。2016年に認知症の症状が出た。リハビリにより母親は要介護3に改善するものの、2020年夏に圧迫骨折を再発して要介護5に。新田は介護経験を自身のブログでつづるほか、企業などにも赴き、自身の経験に基づいた介護に関する講演なども多数行なってきた。

「これだけ情報が溢れている現代社会なのに、介護に関しては特に自分で情報を取りにいかなければなりません。とはいえ、ネットでも本屋さんでも手を伸ばせば、すぐに届きます。目を閉じず耳を塞がず、いつか来るかもしれない介護と向き合ってほしいと思ってます」

 新田は伝説のテレビ番組「夕やけニャンニャン」(フジテレビ)に出演し、おニャン子クラブの会員番号4番で一躍人気を博した。1986年に「冬のオペラグラス」でソロデビュー。おニャン子クラブ解散後もタレント、女優、執筆業、講演活動のほか、ユーチューブチャンネル「新田工務店」を展開している。