15年にわたり放送してきた人気バラエティー特番「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないシリーズ」の休止余波が止まらない。

 日本テレビ、ダウンタウンの松本人志ら当事者たちが放送倫理・番組向上機構(BPO)の影響を否定したが、テレビ界を包む〝自粛ムード〟は払拭(ふっしょく)できそうにないのだ。

 BPOの青少年委員会は先月下旬、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー番組」について審議対象とすると発表。それから約1か月後、「笑ってはいけない」の休止が決まった。

 松本は26日放送「ワイドナショー」(フジテレビ系)で「今年の3月あたりでコロナの終息もいまいち見えてない。この先さらにもっとということを考えたときに難しんじゃないかという判断は3月ぐらいにしてますから」と説明。翌27日には日テレ社長の定例会見が行われ、幹部は「まったく関係ない」とBPOの影響を否定した。

 放送するテレビ局、メイン出演者がそろって否定したが、それでも番組休止のインパクトは想像を超えたものがある。

「『笑ってはいけない』は毎年、大みそかのゴールデンで民放地上波1位を獲得してきた。そんな人気番組が終わるわけですから、影響はなかったと言っても、やっぱりただ事ではないと感じざるを得ない。そういう事情を考えると、今まで以上に、痛みを伴う演出はできなくなる」(テレビ局関係者)

 すでにバラエティー番組関係者の間では「落とし穴はもうダメだよね?」「ドッキリも難しい」「辛い物を食べるのは?」「ツッコミの時に頭をたたくのはいいの?」などと〝新ガイドライン〟を探り合うような会話がなされているという。

「バラエティー番組は目立つことを恐れて、少しでも問題にならないように自粛する流れ」(前同)。今まで以上に無難なトーク番組やクイズ番組が増えそうだ。