東京パラリンピックで車いすバスケットボールの女子日本代表が、31日の準々決勝でオランダと対戦。今大会は民放の情報番組でも連日取り上げられている。パラ競技の映像作品も近年はいろいろと制作されているが、車いすバスケでは元歌手・女優の山口百恵さんも過去にドラマでプレーする姿が放送されていた。

 百恵さんがアスリートを演じたのは、人気ドラマ「赤いシリーズ」の初主演作で、後に結婚する三浦友和と共演した「赤い衝撃」(1976~77年、TBS系)。短距離ランナーとして将来が期待される実業家令嬢役だった。警察官(三浦)の誤射を受け下半身がマヒし、リハビリで紹介された車いすバスケに熱を入れた。

 百恵さんは巧みな車いすターンを見せ、試合シーンでは勝負を決する逆転シュートも。体が回復して陸上で五輪に出る夢は捨てないものの、「もし治らなかったらバスケットでパラリンピックに出るつもり。そして必ず金メダルを取ってお父さんにプレゼントする」と父親(中条静夫)に誓った。

 76年にはカナダ・トロントでパラリンピックが開催されている。現在ほどパラスポーツの認知度は高くなかったと思われる時代にあって同ドラマでは、車いすでバスケをプレーするために選手たちがどれほど鍛錬をしているか、三浦が力説する場面も見られた。

 東京パラを集中的に放送するNHKでは、朝ドラ「おかえりモネ」でダンサーの菅原小春が車いすマラソン選手を熱演。パラスポーツと特撮が合体したドラマも今年放送されている。そこからさかのぼること45年、「横須賀ストーリー」をこの年ヒットさせた百恵さんがパラ競技の魅力を伝えていた。このドラマの「影響」をメディアに語った車いすバスケの女子選手もいる。

 3大会ぶり出場の日本女子は18年世界選手権準優勝の英国を破るなどの活躍で、00年のシドニー大会の銅メダル以来の表彰台が期待される。リアルの舞台で競技への注目度を高めるチャンスが訪れた。