新型コロナウイルスによる肺炎のため、19日に亡くなった俳優の千葉真一さん(享年82)の母校・日体大の松浪健四郎理事長(74)が20日に親交の深かった故人を追悼。ありし日の千葉さんの驚異の肉体と、熱き母校愛を明かした。

「残念だね。1か月前に電話が来て『元気ですか』と話したばかり。今度映画を撮影すると言っていたのに…」と松浪理事長はしんみりと語った。

 千葉さんは体操で五輪出場を目指し1957年に日体大に入学。しかし腰を負傷し夢を断たれ、中退した。後に松浪理事長は、やむを得ない事情で大学中退後に社会的功績を挙げた人物に対する特別卒業認定制度をつくった。その第1号となったのが千葉さんだ。

「すごく喜んでくれてね。ずっと中退が心残りだったと思う。母校愛はそれは強かった」

 五輪壮行会などには、二つ返事で駆けつけてくれたという。

 松浪理事長が驚いたのは千葉さんの衰えぬ肉体だ。2019年、千葉さんの芸能生活60周年のパーティーに日体大の学生が招かれ、白いパンツ一丁で体を動かす伝統の応援「エッサッサ」を披露した。すると松浪理事長の目の前で、御年80歳の千葉さんが学生に交じり、パンツ姿で「エッサッサ~」とやり通したという。

「びっくりしました。あれはきついんですよ。でも引き締まった美しい肉体で見事なエッサッサを見せてくれた」

 千葉さんからは、こんな夢も持ちかけられた。

「いつも『大学でアクションスター学科をつくってください』と言われてね。スターを育成したい気持ちは本当に強かった」。どこまでも熱い人だった。

 松浪理事長は天国の千葉さんが喜びそうなプランをぶち上げた。「コロナが終息したらしのぶ会があるだろうから。学生を連れて、エッサッサをやりましょうか」。

 千葉さんの高らかな「エッサッサ~」が空から聞こえてきそうだ。