日本ボクシング連盟は12日、TBSテレビ系で8日に放送された「サンデーモーニング」において、野球評論家の張本勲氏による東京五輪女子フェザー級金メダルの入江聖奈(日体大)への〝ボクシング蔑視発言〟について、TBSから謝罪文が届いたことを発表した。

 連盟は「当連盟からの抗議文に対して、内容を十分に汲み取った、迅速かつ真摯な対応をして頂いたと思います」としたうえで「今後も各メディアと協力し、ボクシング競技と選手たちの魅力を伝えていきたいと思います。皆様の温かいご声援をよろしくお願い致します」とコメントした。
 
◇連盟が公開したTBSの謝罪文は以下の通り

 サンデーモーニングでの張本勲氏の発言について

 私どもが放送している「サンデーモーニング」8月8日放送での張本勲氏の発言に関し、貴連盟より遺憾の意を表す書面を拝受いたしました。
張本氏の発言は、オリンピック女子ボクシングフェザー級の入江聖奈選手(日本体育大学)が金メダルを獲得したことについて、日本中が沸き立つ快挙であり、この目覚ましい成果に対し「あっぱれ」との賛辞を贈り、称賛することが本意でした。

 しかしながら、張本氏の発言の中には、ご指摘のように「女性及びボクシング競技を蔑視した」と受け取られかねない部分があり、これについては本来であれば番組内で対応すべきでした。当番組として、不快に思われたボクシング関係者や視聴者の皆さまに誠に申し訳なく存じます。
 
 今回の発言について、張本氏は、次のように述べています。

「私は元々ボクシングが大好きで、白井義男さんやファイティング原田さんが世界チャンピオンになった時に、飛び上がって喜びました。今回、入江選手が金メダルを取った時も、飛び上がって喜んでいました。今回の私の発言は言葉が足りませんでした。入江選手の快挙を称えると共に、自分も金メダルを取れるのではと思って、ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省しています」

 私どもとしては、コメンテーターの発言も含め、番組の姿勢が「多様性を否定する」かのように受け止められることのないよう、一層留意しながら番組作りを進めて参ります。

「女子競技は男子競技以上に、安全面に配慮されている」との貴連盟のお考えについて理解を深めながら、今後ともボクシング競技をはじめとするスポーツの素晴らしさを伝えて参りたいと存じます。ご理解を賜れば幸いに存じます。