テレビ朝日の東京五輪番組を担当する社員10人が8日夜から9日朝、〝打ち上げ〟の名目で都内のカラオケ店にて酒を飲み、そのうち1人の20代の女性社員が誤って店の外に転落し救急搬送された問題で、身内の番組が謝罪に追われた。

 11日の「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターでテレビ朝日社員の玉川徹氏は「まずテレビ朝日の社員として視聴者の皆さまの信頼を損ねたことに関して謝罪を申し上げます。申し訳ございませんでした」と神妙な表情で頭を下げたうえで「今回の問題に関しては3つ大きな問題があると考えます」と説明。

「1つは緊急事態宣言下で飲食店の皆さまには酒類の販売の自粛が呼びかけられ、私たちも行動の自粛を呼びかけてきました。その中で呼び掛ける立場のテレビ朝日社員が10人で集まって酒を飲み宴会をしていたこと。2つ目の問題として五輪に関しての感染拡大が危惧されている中で、感染拡大防止を訴える立場の五輪番組を担当する社員がこういう風な宴会をしていたこと。第3点は今感染爆発し医療体制がひっ迫しているなかで、無用な負荷を救急医療体制にかけてしまったこと。この3点はどれ一つとっても恥ずべき非難されるべきことだと考えています。もちろん私もとても恥ずかしいことで怒りを禁じえません。テレビ朝日としていったい何ができるのか、なぜこういう風なことが起きてしまったのか、これは調査委員会などを作って、すべて明らかにする必要があると思います。社員個人の資質の問題なのか、それとも指導が足りなかったのか、テレビ朝日の構造的な問題なのか、これをすべて明らかにして視聴者の皆さまにお伝えする。まずそこからしか信頼を回復できない。社員、役員一人ひとりが失われた信頼を少しでも回復できるようにこれから努力していくしかないと思っています」と問題点を指摘し、私見を述べた。

 司会の羽鳥慎一も「今回のことはあり得ないことで、自覚がないというレベルをはるかに超越しております。特にやってはいけない立場の人間がやってはいけないことを今回すべてやりました。番組ではこれからもコロナ関連の報道、皆さんへの外出等の自粛喚起、これは大切なことなのでこれからも行っていきます。こういう立場の人間がそういうことをやるのは恥ずかしいです。どの口が言ってんだという思いをされる方、ご批判をしっかりと受け止めながら、放送を続けていきたいと思っています」とコメントした。

 この問題をめぐっては発覚した10日の「報道ステーション」などが謝罪に追われていた。