菅義偉首相(72)を題材にした映画「パンケーキを毒見する」が30日公開され、都内で行われた初日舞台あいさつに企画から携わった元経産省官僚の古賀茂明氏(65)と元文科省事務次官の前川喜平氏(66)が登壇。安倍前政権から牙をむき続ける2人が菅首相の素顔を痛烈に皮肉った。

 同作品は菅首相の素顔に迫るドキュメンタリーで、映画「新聞記者」を手掛けた河村光庸氏(71)がプロデューサーを務め、内山雄人氏(54)が監督を務めた。古賀氏は「こういう作品は面白くなくてはダメだ」とアニメーションも織り交ぜ、ブラックユーモアあふれる政治バラエティー映画に仕上がったという。
 
 古賀氏といえば、安倍前政権時代に「I am not ABE」で政権にキバをむいたが、菅首相の印象については「とにかく本心見せない。令和おじさんとか、パンケーキとか優しそうで、若者人気といわれたが全然違う。一言で表現すると『頑固で攻撃的 改革する自分に酔うナルシスト』」とバッサリと斬った。

 一方、前川氏といえば、安倍前政権で事務次官を辞任した後、歌舞伎町での出会い系バー通いが報じられ、当時官房長官だった菅首相とバトルを繰り広げた。
 
 前川氏は「菅さんとの濃厚なかかわりは役人を辞めた後で、某Y新聞に新宿で出入りしていた店の話など書かれた。あれは菅さんが『やらせろ』とおっしゃったのだと思っている。当時は官邸から潰されかけているんだなと思いましたね」と振り返る。

 前川氏は「菅さんはパンケーキとか苦労人とか令和おじさんとか甘ったるいイメージを振りまいて、去年の9月の政権発足時の支持率は驚異的だった。ただ、菅さんの素顔はすがすがしい(清々しい)ものではない」とこちらも辛らつだった。