村井嘉浩宮城県知事が25日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に生出演。東京五輪の無観客問題を巡る〝ダブルスタンダード〟を厳しく批判した。

 東京五輪の観客問題については新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、東京の小池都知事ら開催地各県の知事が直前に無観客での実施を決定した。村井知事はこの流れに強く反発。「命を最優先するのは当然ですが、一番問題なのは他の競技と切り分けていること」と鋭く持論を展開した。

 村井知事が指摘したのは有観客での試合開催が続くプロ野球との違いだ。東京五輪日本代表である侍ジャパンと国内球団の強化試合も、有観客で行われ続けている。

 同知事は「宮城県で(プロ野球の)オールスターゲームがありました(7月17日=楽天生命)。仙台の中心部で1万5000人の人が集まって、しかもお酒が飲めたんですよね。今日も侍ジャパンの強化試合が仙台の中心部(楽天生命)で、仙台駅から2キロの距離でやっているわけです。これも、お酒が飲めるわけですよ。1万5000人集めて」と説明。続けて「これはいいんだけれども、(五輪のサッカー競技は)仙台から離れた利府という場所で行われる。5万人のスタジアムに3000人とか5000人しか入らない。お酒は飲まない。(それでも)『これはだめだ』という主張をされると、私はとても納得できない」ときっぱり言い切った。

 その上で「オリンピックを楽しみにしている方も、野球を楽しみにしている方も同じ対応をされるべき。私は政治運動をされているように見えた、コアで動いている方たちが」と主催者の東京都や組織委、政府を暗に指して強い憤りを示した。

 宮城県では同県・利府町の宮城スタジアムで東京五輪のサッカー競技が有観客で開幕している。隣県知事や各医師会は新型コロナウイルスの感染拡大を招くとして無観客を要望したが、村井知事はブレずに有観客での実施を判断。賛否両論が巻き起こっていた。