同情の声は聞こえてこない。東京都議選の期間中に無免許運転で人身事故を起こした木下富美子都議(54)への辞職勧告決議案が23日の都議会で可決となった。「都民ファーストの会」を除名処分となって一人会派「SDGs東京」を立ち上げた木下氏は病気を理由に欠席。ほかの都議全員が賛成した。

 決議案では木下氏の行為について「都民の信託を受けた都議会議員としての自覚を欠く恥ずべきものである」と厳しく指摘。都民への謝罪や説明がなく、辞職の意向も示されていないことから、「直ちに都議会議員を辞職することを強く求める」と訴えている。

 小池百合子都知事も「今回の決議をしっかり木下さん自身、受け止めてほしい」と辞職すべきとした。もっとも決議に法的拘束力はない。

 果たして木下氏はどうするのか。都民ファ関係者は「正直、辞めさせる方法がもうないんです」と頭を抱える。とにかく一刻も早く辞職してほしいというが、誰も木下氏に連絡を取ることができない状況。除名したとはいえ、辞職が遅れれば遅れるほど、都民ファの印象も悪くなってしまう。

 木下氏には無免許運転だけでなく、当て逃げ疑惑も浮上。前出の都民ファ関係者はある出来事を思い出すという。

「以前、都議会の審議中に木下氏と他党の議員が小競り合いになったことがあり、木下氏が相手を押し倒してしまったのです。審議直後、木下氏は『私は指一本触れていない』と主張していました。しかし、動画を確認したら思い切り、押し倒しているところが映っていました」(前出の関係者)

 しらばっくれた“前科”があるだけに、当て逃げ疑惑にも驚きはないという。「今、木下氏がどんな気持ちでいるか分かりませんが、早くお辞めになった方がいい」と関係者は辞職を勧めている。