免停中に人身事故を起こし、都民ファーストの会を除名となった木下富美子都議(54)に新たな疑惑が22日、持ち上がった。事故を起こした直後、木下氏は現場から逃走を図っていたというのだ。

 この日、JNNが「人身事故の都議〝当て逃げ〟か 被害者が初証言」と今月2日に東京・高島平の交差点で、木下氏に車をぶつけられた被害者男性の証言を報じた。

 報道によれば、右折しようとしていた木下氏の運転する車が、信号が青になっても動かなかったため、後方にいた被害者男性の車がクラクションを鳴らしたところ、木下氏の車が突如バックし、衝突した。
 
 ここまではこれまでも判明していた内容だったが、驚くべきはその後の木下氏が取った行動だ。

 木下氏は車を急発信させ、当初の右折ではなく直進。被害男性がクラクションを鳴らして、追いかけ、200メートル先でようやく木下氏の車を停止させたという。「なんで逃げたのか?」と問い詰めたが、木下氏は「逃げていない」と平然と言いのけたという。

 無免許での人身事故だけでも、逮捕されるケースがあるが、そこに当て逃げとなれば、安全運転義務違反、危険防止措置義務違反も加わってくる。

 事故は都議選最中に発生していたが、木下氏は情報公開することなく、再選を果たしていた。都議選翌日に判明し、都民ファを除名されたものの議員辞職は否定。都議会に「SDGs東京」の一人会派を届け出て、8日にはホームページで「捜査中の案件ですので、具体的な事項については、弁護士さんの助言を受けて、それが整理された段階でご説明いたしたいと考えています」と釈明しているが、公の場には出てきていない。

 23日の都議会臨時会で木下氏への辞職勧告決議案が可決される見通しだ。政界関係者は「責任を感じていれば、とっくに辞めているはず。辞職勧告決議は法的拘束力もなく、木下氏は都議の座を手放す気はないでしょう」と話した。