米中関係悪化のあおりか――。中国・北京にできたテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・北京(USB)」が、一向にオープンしない。開園は当初、今年5月の予定だったが、それがいつの間にか7月になった。

 USBは日本、シンガポールに次ぐアジア3番目のユニバーサル・スタジオ。米ハリウッドおよびフロリダにあるご本家より広く、大阪のUSJの約2倍で世界最大だ。「シティウォーク」と呼ばれる商業施設やホテルが一体型の巨大リゾートになっているというのもアジア初で、全体の広さはUSJのおよそ10倍。

 地元エンタメ関係者は「うわさだと、シティウォークの一般オープンは7月26日で、USBの開業は8月末らしいけど」と語る。

 新型コロナウイルスの発生源でありながら、中国は早くからコロナ封じ込めに成功。昨年3月以降、感染者は2ケタで死者ほぼゼロという状態が続いているとされる。それなのにUSBの開業が遅れているのはコロナのせいなのか?

「いや違う。実際こっちにはもうコロナはないから。上海ディズニーランドは、去年5月すでに営業を再開しているしね。まだ開園しない理由は、中国とアメリカの関係が最近悪いのが原因ではないのかな」と同関係者。

 7月1日は、中国共産党の創立100周年の記念式典で、習近平国家主席は「われわれは教師ヅラした上から目線の説教は決して受け入れない」などと演説。人権問題など何かと対立する米国へのけん制とみられる。

 また、中国の王毅国務委員兼外相は14日、アフガニスタンのアトマル外相と訪問先のタジキスタンで会談し「米軍と北大西洋条約機構(NATO)軍の性急な撤退でアフガン情勢は緊張が高まり戦火が広がった」と述べ、米国などを批判した。中国外務省が15日発表した。

「このタイミングで、アメリカ発祥のテーマパークなんてオープンできないよ」と前出の関係者は指摘している。