〝反対の声〟の結晶だ。東京五輪中止を求めてオンライン署名活動を続けてきた弁護士の宇都宮健児氏（７４）が１５日、都庁で小池百合子知事（６９）に署名と要望書を提出。開幕を８日後に控えたタイミングで国内外から集まった意見を突き付けた。
５月５日に始まった署名「人々の命とくらしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます」は、前日１４日時点で４５万１８６７筆となった。これはオンライン署名サイト「Ｃｈａｎｇｅ．ｏｒｇ」日本版史上最多の署名数だという。
東京都では１２日に４度目の緊急事態宣言が発出され、もはや「復興五輪」「新型コロナに人類が打ち勝った証しとしての五輪」は成立しないとの見方が強い。都庁で会見を開いた宇都宮氏は「ここで開催すれば、新型コロナの感染の危険性がさらに増すことになる。また、『人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進』を目指すという五輪の根本原則、五輪憲章に反することは明らかだ」と強く訴えた。
この日は内閣府で菅義偉首相（７１）、丸川珠代五輪相（５０）、都内で大会組織委員会の橋本聖子会長（５６）にも署名と要望書を提出する。
