フランス・カンヌで2年ぶりに開催されている「第74回カンヌ国際映画祭」で、コンペティション部門に選出されている浜口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」の評価が日増しに高まっている。ただ現地では、レッドカーペットに緊張する女優陣が話題となった。

 浜口監督は、3年前の「寝ても覚めても」に続いて2度目のコンペ入りということで、前回よりは余裕のある表情でレッドカーペットを歩いていたが、出演女優の三浦透子(24)と霧島れいか(48)は緊張の面持ち。その理由について三浦は「レッドカーペットは階段を下りるものだと思っていて、上ると気付いたとたんに緊張してしまいました」、霧島も「転ばないように歩くだけで精いっぱいだった」と話した。

 カンヌのレッドカーペットと浜口監督の作品には〝因縁〟がある。浜口監督が3年前にカンヌを訪れた時の作品は「寝ても覚めても」だが、この映画では主演を東出昌大、ヒロインを唐田えりかが務めた。後に不倫騒動で世間を騒がせた2人の出会いは、この映画での共演だったわけだ。

 不倫交際が発覚した直後、ワイドショーなどで繰り返し流されたのが、カンヌでのレッドカーペットの映像だ。唐田が階段を上っている時にドレスがヒールにひっかかってつまずき、東出が手を差し伸べて優しくエスコートした、あのシーンだ。

 今回、「ドライブ・マイ・カー」の出演者が歩いたのと全く同じレッドカーペットだった。唐田がつまずいた記憶が強く残るだけに、三浦と霧島が緊張するのは当然かもしれない?

 ただ現地での作品の評価は上々だ。公式上映では、8分に及ぶ熱いスタンディング・オベーションを受けた。村上春樹原作ということもあって注目度が高く、現地映画誌も高評価。授賞式は現地時間17日夜(日本時間18日早朝)に行われる。大きな賞が期待できそうだ。