新型コロナウイルスの「第5波」が懸念される中、東京五輪・パラリンピックの大御所たちは「無観客開催もやむを得ない」との見方を強めている。

 沖縄県を除くすべての都道府県で緊急事態宣言が解除されたものの、各地で再びコロナの感染者が急増。政府は10都道府県に適用しているまん延防止等重点措置について、首都圏4都県で11日までだった期限を延長する方向で最終調整を進めている。

 そんな中、小池百合子東京都知事(68)は、開幕まで残り3週間を切った東京五輪の観客上限を巡り「無観客を軸に考えていくことも必要」と発言。大会組織委員会の橋本聖子会長(56)も「組織委としては無観客も覚悟しながら、どのような基準を示されても対応できるようにしたい」と述べた。

 一方、東京パラリンピックの開幕までは残り50日あまり。日本パラリンピック委員会(JPC)の高橋秀文副委員長も「多くの方にパラ競技を知っていただきたい。可能であれば感動を現場で感じていただきたい」と話しながらも「コロナの状況の中で理想的なことを言っている状況なのかなと思う。観客数の上限については『安全・安心』な大会が大前提。JPCとしてはどういう結果であろうと、我々はパラリンピックの舞台で最高のパフォーマンスを発揮してくれたら」との考えを示した。

 現在開催中のサッカー・欧州選手権では、コロナの集団感染が発生。英スコットランドで約2000人が感染したと言われているだけに、有観客にこだわってきた大御所たちもようやく危機感を抱き始めたようだ。