都議選(7月4日投開票)で麻生太郎財務相(80)が自民党の候補者の応援周りで、引っ張りダコだ。先月25日の告示日には、過労で入院した小池百合子都知事(68)について、「自分でまいたタネ」と発言し、批判が殺到したものの、その後の街頭演説では人だかりができる人気ぶりとなっている。

 麻生氏は2日、JR王子駅前で、自民党の山田加奈子都議(50)の応援演説に登場。雨にもかかわらず、集まった聴衆に対し、笑顔を振りまいた。告示日に放った「自分でまいたタネ」は都議選で自民党有利の下馬評を覆しかねないインパクトだったが、その後の街頭演説では、小池氏のワードは極力使わないように〝軌道修正〟している。

 ただ小池氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」のいじりは〝鉄板ネタ〟とあって、忘れることはない。

「思い出してください。4年前の選挙(都議選)。明らかに都民ファーストに風は吹いていた。この中にも入れた人いるだろ? 結果として、みなさんが選択した。悪いことではない。しかし4年たってどんなことになったか?」と切り出し、いくら都議会で与党になっても国会議員や地方議員がいなくては、政治ができないと力説した。

〝麻生節〟は止まらない。迫る東京五輪を巡って、賛否両論が渦巻いているが、1964年に行われた東京五輪の開催に反対した新聞社への批判が最近のお気に入りだ。

「オリンピックが決まった年、川が臭い、東京で五輪を開催するのは恥ずかしいと書いたのはどこか。終わったらみんな良かった。みんなで成功させた。あれから東京はキレイになった」

 これまでは新聞社の名前は伏せていたが、この日は「朝日新聞」と連呼し、全く配慮することはなかった。

 再び失言が出れば、すべてが水の泡になりかねいないが、それでも元首相で、明るいキャラの麻生氏の動員力は抜群。〝麻生カード〟の効果は大きいとあって、各陣営は冷や汗をかきながらも麻生氏を迎え入れている。