自転車事故を巡る書類送検事案で不起訴となった元プロレスラー「キラー・カーン」の小沢正志氏(74)が、自身のユーチューブチャンネルで心境を語り、土俵の縁に救われたことを告白した。

「半年ちょっとかかりましたけど、不起訴になって涙が出るくらい嬉しかった」と語った小沢氏の口から、「一時はどうなってもいいや、もう死んでもいいやという気持ちになった」と事故後の精神的な落ち込みを振り返る言葉も飛び出した。

 小沢氏が歩行者を自転車ではねて負傷させ、逃走したとして、道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで書類送検されたのは昨年12月のこと。同年10月18日、東京・新宿の路上を自転車で走行中に20代の女性と衝突して重傷を負わせ、救護措置を取らずに走り去ったとされる事案だった。

 送検から約半年を経て先月30日、東京地検の処分が決まった。小沢氏は送検当時から自身の正当性も主張していたが、地検は詳しい理由は明らかにしていない。小沢氏は前出のユーチューブチャンネルで「相手の女の子に当たって転ばせたということは、本当に申し訳ないと思っています」とコメントした。

 この件が昨年報じられると、自身の居酒屋への電話や通行中の路上で、見知らぬ人から「ひき逃げ犯」呼ばわりされ、ノイローゼ状態に。前出のように「死」も浮かぶほど悩んだ。そんな時、プロレスラーになる以前に所属した大相撲・春日野部屋で兄弟子だった元関脇栃東(76=元大関栃東の父)からの電話で励まされたという。

「小沢、オレはお前の人間性を信じている。そんなことをやる人間じゃない。頑張れ」

 この言葉に「涙が止まらなかった」ほど感激した小沢氏は、再び前を向いた。ユーチューブ視聴者に「私はもう1回、頑張りますから」とメッセージを送った。