立花孝志党首(53)率いる国政政党が28日に「嵐の党」に党名変更したことで、都議選(7月4日投開票)の立候補者にも直撃している。選挙中に政党名が変わるのも前代未聞だが、その党名が人気ジャニーズグループの「嵐」から拝借したとあって、ファンから反感も買いかねないという心配があって…。

 立花氏は28日に党名を「古い政党から国民を守る党」(古い党)から「嵐の党」(あらし)に変更した。都議選真っただ中の党名変更で、急きょ、事務手続きに追われたのが古い党から公認を受け、立候補していた候補者だ。

 豊島区選挙区から公認、立候補している井田恵介氏(29)は29日、東京・池袋駅前の街頭演説で、「小心者なので、ファンから叩かれるのが怖くて、あまり大きな声では言えませんが、嵐のメンバーです。温かい目でお願いします」と呼びかけた。

 井田氏の場合は、さらにややこしい状況になる。普段はビジュアル系バンド「ジャックケイパー」のメンバーとして、李九(りく)の名前で活動している。「嵐」は昨年末に活動休止したとはいえ、グループ名とあって、「嵐のメンバーで、ジャックケイパーのメンバー」と自身の正式な所属を話しだすと、?だらけになってしまう。

 もっとも井田氏は、嵐ファンの視線を気にしていると言いながらも実は党名変更を歓迎していた。

「以前に二宮和也さんの番組に出た時、二宮さんから『李九くん』と呼んでもらった。ジャニーズでは先輩をくん付けで呼ぶでしょ。僕は先輩認定いただいている。嵐ファンの皆様、叩かないでください!」(井田氏)

 この日は早速、「嵐の党」への改名効果なのか、葛飾区選挙区から立候補している「愛の力党」でピエロに扮した河合悠祐氏(40)から突撃され、コラボレーションした。

「若者が投票に行き出したという姿を見せれば、既得権益まみれのお偉いさん方は焦りだす。選挙を盛り上げたい」と訴えた井田氏。嵐ファンを味方につけ、政界に嵐を巻き起こすことができるのか。