大阪観光局の溝畑宏理事長(60)が29日、大阪市内で定例記者会見を開催した。

 阪神、オリックスの在阪2球団がともに首位と好調だ。「阪急ブレーブスこども会」に加入するなど阪急時代からのオリックスファンの溝畑氏は、9日に行われたオリックス―巨人戦の始球式に登板した際に着用したTシャツ姿で会見に登場。「宮内(義彦)オーナーを胴上げしてあげたい。日本シリーズで始球式に投げたい」と1996年以来の日本一に期待した。

 好調なプロ野球とは対照的に、大阪の観光事業は新型コロナウイルスの影響で壊滅的な状況となっている。

 同局ではコロナの影響に苦しむ各業界にアンケートを実施し、観光、運輸・交通、飲食、宿泊など82社から回答を得た。コロナ禍前の2019年度と比較すると、すべての業界で売り上げや入場者が60%以上減少しているとの結果が出た。

 この結果について溝畑氏は「大変厳しい」と話し、廃業や倒産を検討している事業者も多いと明かした。

 一方で、溝畑氏は海外の主要先進国ではワクチン接種が進み、渡航制限も解除されつつあると指摘。日本でも秋ごろには1回目の接種率が5割に到達するとの報道を引き合いに、「ワクチン接種とセットで経済活動を動かしていく。9月には『Go To(キャンペーン)』も再開に進んでいくのではないか。10月くらいには大阪府・市と一緒に、大阪の観光消費の喚起の事業を始めたい」と新たな観光政策の展開を示唆した。

 事業者が各種キャンペーンに対応するための準備期間として2か月間は必要とした上で、「7~8月は反転攻勢の準備をする期間。事業者に支援を拡充するよう、府・市、政府、経済界に強く願っていきたい。次のステージに向けたエンジンをふかしていきたい」と語った。