今回の“魂の一句”は何? 学校法人「森友学園」の小学校建設をめぐる補助金不正事件で、詐欺罪などに問われた前理事長の籠池泰典(本名・康博)被告(68)と妻の諄子(本名・真美)被告(64)の控訴審第2回公判が21日、大阪高裁(西田真基裁判長)で開かれた。

 弁護団は、小学校の設計に携わったキアラ建築研究機関が秘密裏に録音した夫妻との打ち合わせ内容について、諄子被告が発した「ぼったくる」の部分を大阪地検特捜部が意図的に切り取って一審に提出、両被告が有罪との印象操作をした、と主張している。西田裁判長は「ぼったくる」発言について弁護側が提出した証拠の採用を決める一方、国の補助金に関する証拠など大部分を却下した。

 弁護団は、今回の事件はキアラと建設業者の藤原工業が主導したと主張しており、「彼らのやってることはまさにハイエナ」と主張。そのうえで「我々は控訴趣意書でかなりの主張をしたが、裁判所は国の補助金について一切発言していない。裁判所がどう考えているのか。3つか4つあるが、どれか分からない」と結果を天に委ねた。

 泰典氏も「誰が主導したのか。どういう背景があったのか明らかにしないといけない。キアラ、藤原の悪さを白日の下にさらさないといけなかったが、裁判所が閉じてしまった」と無念の表情を見せつつ、「『ぼったくり』発言を採用したのは大きなポイント。良い結果も悪い結果も含めて何通りかある。僕はいい方に解釈している」と話した。

 そんな泰典氏だが、公判後に恒例となっている一句はしっかりと披露。

「ひまわりや 凛と立ち伸びる 君の姿や」

 この日、被告人質問に立ち、裁判官、検察、弁護人からの質問攻めに感情的になる場面もあった妻への思いを詠んだわけだが、当の諄子氏は「人が思うほど大したことないですよ。これしきでは疲れないですよ。国の国策捜査には負けない!」と意気軒高だった。