女優の吉柳咲良(きりゅうさくら=17)がミュージカル「ピーターパン」で主人公・ピーターパンを演じることになり、21日に都内で行われた制作発表に出席した。

 過去にタレントの榊原郁恵や女優の高畑充希らがピーターパン役を務めた同作も、今回で上演40周年。吉柳は10代目ピーターパンで、中学1年生だった2017年の初挑戦から4度目の大役になる。昨年はコロナ禍で公演自体が中止になっていた。

 吉柳は2年ぶりの開催に「幸せだなと思う」と感無量の表情だ。役づくりで髪をバッサリ切り「地毛を約30センチ切っている。地毛がショートカットの状態。心も体も少年になれるよう…ちょっと不安もあったけど、30センチ切った」と告白。この日はピーターパンのかつらをかぶっていたため地毛は分からなかったが、強い決意をうかがわせた。

「毎日シャンプーをする時間が短くなったのがうれしい」と白い歯がこぼれたが、ピーターパンを演じることに葛藤はあったようだ。

 吉柳は「体は成長してしまう私たちが演じるのが、ファンタジーと現実のはざまのように感じた。ピーターパンに共感できる部分やできない部分があった」と話した。

 中学時代にピーターパンを演じたときは見せ方にこだわったそうだが、今は「(観客に)どう伝わってもいいから、ただピーターパンでいようと思った」と考えをシンプルに。ショートカットにしたのも、このあたりが一因のようだ。

「見に来てくださった方をネバーランドに連れていけるよう、ピーターパンを演じたい」と最後まで気合十分だった。

 ミュージカルは7月22日から東京・めぐろパーシモンホールを皮切りに神奈川、大阪、仙台、名古屋の計5都市公演。