これぞドミノ倒し? 東京都の小池百合子知事(68)は19日、東京五輪・パラリンピック期間に設置予定だった「ライブサイト」とパブリックビューイング(PV)会場計6所での競技中継をすべて中止すると発表。東京都議選の告示日(25日)前に譲歩を決断した。

 当事業は「競技会場外にPV会場を設け、競技中継等を通じて競技観戦を楽しみ、大会の感動と興奮を共有できる機会を提供する場」として計画。しかし、密の発生が懸念されることから、埼玉県、茨城県、千葉県が立て続けに中止を表明。関東圏以外でも、岐阜県や愛知県などが同様の判断を下していた。

 そんな中、都内の会場の1つとなっていた井の頭恩賜公園(武蔵野市、三鷹市)を管轄する武蔵野市の担当者が、本紙に「今は人流抑制を都も武蔵野市もみなさんにお願いしているところで、こういったイベントができるのか」と話していたように、日を追うごとに中止を求める声が高まっていた。

 それらの声を受けてか、小池都知事は菅義偉首相(72)との会談後に報道陣の取材に対し、一部会場を新型コロナウイルスのワクチン接種会場に変更すると明かした上で「ウェブを活用して、大会の盛り上げとしての文化など、各国が関連してくるので、ウェブで発信していく考えを示した。大会を成功させるために、さまざまな観点から必要なことで、総理からもご理解を得た」と説明した。

 ついに他の自治体の流れに合わせた小池都知事。東京五輪・パラリンピックや都議選が間近に迫っているが、いったいどのような思惑を抱いているのだろうか。