17日午後に発生した、さいたま市大宮区の女性従業員を人質にとったネットカフェ立てこもり事件は、発生から25時間以上が経過したが、いまだ解決には至っていない。現場周辺には規制線が張られ、多くの通行人や警察、報道陣が見守る緊迫した状態が続いている。

 埼玉県警によると事件は17日午後2時過ぎ、大宮駅西口にあるネットカフェ「マンボープラス大宮西口店」で発生した。午後4時10分ごろには店から「20代の女性店員が午後2時20分ごろ、客に呼ばれてブースに入ったあと戻って来ない」と110番通報があり、警察が駆けつけて説得に当たっているが、現在も人質女性の解放には至っていない。男は7階の鍵付きの個室ブースから出てこない一方で、交渉に当たる捜査員と会話はしているという。

 ネットでは「犯人のせいで鍵付き個室に法規制がかかるようになってしまう」と事件の影響を懸念する声が上がる一方、「身分確認されていれば事件を起こすのをためらったのでは?」という声も上がっている。

 マンガ喫茶やインターネットカフェなど営む事業者の唯一の業界団体「日本複合カフェ協会」によれば、「法令的には東京都のみ、インターネットにつながる端末を操作する場合に身分確認を必要とする条例があるが、その他の道府県では義務化されていない。日本複合カフェ協会に加盟している事業者はガイドラインとして身分確認することを徹底しているが、今回、事件が起こった事業者は加盟していなかった」というだけに、今後、議論されることになるかもしれない。

 すでに立てこもり事件の発生から25時間が経過。一刻も早い人質女性の解放が待たれる。