欧米で2022年北京五輪のボイコットの動きが水面下で広がっていることが明らかになった。

 北京五輪を巡っては中国における人権問題を理由に米国を中心としてボイコット議論が出ているが、香港紙「サウスチャイナモーニングポスト」はボイコットに向けた具体的な動きが拡大していると報じた。

 同紙によると、民主党のグレゴリー・ミークス米下院外交委員長が国際オリンピック委員会(IOC)に対して「中国の反倫理的犯罪を勘案して開催国を速やかに変えるなどの緊急措置を取らなければならない」と要請。また欧州議会で、10人の委員が「欧州連合(EU)がオリンピック競技に代表団を派遣するかどうかを確認する質問書を欧州評議会に提出し、北京五輪の欧州スポンサーにも〝アドバイス〟を行う予定だ」と報じた。

 また民主党のトム・マリノフスキー下院議員は「多数の民主国家の議員が力を合わせたこのような努力は、IOCが無視できないメッセージを投げかける。強制収容所に収監された数百万人を問題視し、開催国を変更しなければならない」と開催国の変更を要求した。

 同紙によると、これまでのところ米国、カナダ、英国、イタリア、ドイツ、チェコ、デンマーク、リトアニア、スウェーデンなどが参加辞退を検討している。「これらの国は、中国政府の大規模な人権じゅうりんを理由に、政府や国の首脳に、来年の五輪参加を拒否するように圧力をかけるとみられる」と指摘した。

 米国を筆頭にこれらの国々が動けば日本も追随する可能性があり、北京五輪を巡る動きは予断を許さない状況になってきた。