国民民主党の玉木雄一郎代表(52)は3日の会見で、政府が16日に会期末を迎える国会を延長しない場合、野党は菅内閣に対する不信任決議案を提出すべきだとの意向を示した。

 その理由は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う大規模な経済対策を盛り込んだ令和3年度補正予算の編成や感染者の病床確保に向けた法改正の必要性を強調している。

「こういうこともせずに国会を閉じるのであれば、(内閣)不信任に値する。政治空白が生じることよりも、正しい政策が行われない政策空白の方が国民の生活と経済にマイナスだ。そのように判断するときには内閣不信任決議案を出すべきだ」(玉木氏)

 同じ野党の立憲民主党の枝野幸男代表(57)は、会期中の内閣不信任案提出について「可能性はゼロではない」とまで明言している。玉木氏の一歩踏み込んだ発言に対してネット上では「主張は理解できる」「菅首相に伝家の宝刀を抜かせてみたらいい」とのコメントが寄せられている。

 永田町関係者は「国会民主党の所属議員は選挙区で強い。しかし、玉木代表のアノ問題への対応は評価されていません」と話す。

 玉木氏はJRなどを無料で利用できる「議員パス」の不適切使用について直接的な説明をしない山尾志桜里衆院議員(46)の問題に処分なしで厳重注意にとどめた。

 山尾氏はツイッターで謝罪してみせたが「せめて会見しろ」と批判が殺到。先月14日に行われた外国で起きた人権侵害に制裁を科す法案の議員連盟の質疑終了後、記者から「説明しないのか」との質問には「今日はそういう場ではない!」とブチ切れて物議を醸した。

 永田町関係者は「玉木氏は衆院選で山尾氏の比例名簿1位を外していません。菅・自民党の受け皿として立民でなく、国民に1票投票したい無党派層と見られるネット民は『(選挙は)惨敗ではないか』と書き込み心配しています」と話した。

 玉木氏は無党派層の落胆の声に応じるのか。