千葉県市川市の村越祐民市長(47)の私設秘書が2日までに逮捕されていたことが分かり、衝撃が広がっている。村越市長は、これまで公用車に米高級電気自動車(EV)テスラ車の導入や市長室にシャワールーム設置などで炎上続きだったが、今度は側近の逮捕。「大きな事件の入り口ではないか?」との臆測が飛んでいる。

 千葉県警に電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で先月24日に逮捕されたのは、押切裕雄容疑者(51)。虚偽の情報を法務局に提出し、会社を登記させるなどした疑いが持たれている。

 押切容疑者は、村越市長の私設秘書を務めていた。過去には故永田寿康衆院議員や平野博文元官房長官(72)らの秘書を務め、酒に酔ってタクシー運転手から現金を脅し取ろうとして逮捕されたこともあった。

 元民主党の衆院議員だった村越市長とは、当時からスタッフとして関係があったとみられ、市長当選後は私設秘書として、虎の威を借りていたという。

 市川市の越川雅史市議(47)は「庁舎内を自由に闊歩し、いろんな課で市長ヅラしていた。すれ違った時には『あいさつないのか』といきなり言われたこともあった」と話す。

 村越市長が2019年に米電気自動車大手・テスラ社の車を公用車に導入し、批判された騒動の火消しにも押切容疑者が関与していた。村越市長はテスラ車のリース契約を解除し、管理法人が購入する形で、今後も政務活動時に使用するとしていた。

 この管理法人は押切容疑者が代表取締役となる自動車リース会社で、引き取ったテスラを同容疑者が乗り回していたのだ。テスラ問題が議会で追及された際も押切容疑者は傍聴席に現れ、ふんぞり返って、市議らににらみを利かせていたという。

 それにしても村越市長をめぐっては、お騒がせが続いている。テスラ車騒動のほかにも、今年2月には市長室にユニット式のシャワーを設置していたことが判明。市議会では撤去決議が出ていたが、村越市長は今月1日の会見で、設置当初から災害時に女性職員と自身の使用を念頭に置いていたと抗弁。大きな批判を浴びていた矢先、右腕ともいえる私設秘書の逮捕が発覚した。この逮捕は今後、「何か別の事件に発展するのではないか」と市役所内ではみられている。

 というのも県警は、村越市長の後援会事務所を家宅捜索しただけでなく、市の複数職員への任意の事情聴取に乗り出しているからだ。

 村越市長の窓口となる広報室秘書課は、私設秘書の逮捕を受けての対応について「(公務ではなく)政務の方の個人的な秘書なので市長の会見は予定していない」と話した。