“東京五輪株”出現すれば「100年先まで非難」 医師ユニオンが示す2つの回避シナリオ

2021年05月28日 11時30分

五輪中止に向け2つのシナリオが挙がった

 五輪中止にかじが切られる2つのシナリオとは? 勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」代表で医師の植山直人氏が27日、日本外国特派員協会で会見し、東京五輪中止の声が高まっている中でも政府や国際オリンピック委員会(IOC)が開催を強行しようとしている動きに現実的な中止シナリオを挙げた。

植山氏は「五輪は約200の国から数万人が東京に集まる。いろんな変異株が東京に集中し、非常に危険な大会になりかねない。南アフリカ株やインド株が世界に広がる可能性があるし、全く新しい変異株ができる可能性も否定できない」と危惧する。「そのような事態が起きれば、“東京オリンピック株”と呼ばれて、この先100年にわたって、(東京五輪は)人類の大きな愚行であったと非難される」と警告した。

 IOCが五輪の中止や延期に動く様子は見られないが、植山氏は今後、開催中止に追い込まれるシナリオとして、まず与党内から反対の声が上がる動きがカギとみる。

 今年は秋までに衆院選が行われる。「五輪開催に国民が反対しているのにごり押しすれば、与党の国会議員の中で、このままでは選挙に通らないと、与党の中から声が上がれば、政府は止めることができる」と指摘する。

 一寸先は闇の政局で、与党内で五輪中止カードが使われる可能性は否定できない。

 2つ目が国内の医療状況だ。植山氏は「(現時点で)一部で医療崩壊が起きているが、5~6月は一番患者が少ない季節。7~8月は暑さで熱中症患者が運ばれる」と指摘。インド株の流行で患者が増え、病床逼迫となれば、五輪関係者を受け入れられない状況も想定されるという。

 昨年の五輪延期が海外各国からの“ボイコット宣言”が契機だった例から「国内の医療事情、ワクチンの接種状況を見て、(各国の選手団が)コロナに感染しても(病院に入れず)待つしかない、飛行機に乗って、自国に帰れないとなれば、ボイコットの動きが出てくるかもしれない」と植山氏は予測した。

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