製作から8年…今、注目集める「東京五輪公式反対ソング」 作者は1周回って開催賛成に?

2021年05月25日 05時15分

IOCのバッハ会長(ロイター)

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が東京五輪開催実現に向けて「犠牲を払わなければ」と発言し、波紋を広げている。IOCは〝火消し〟に走ったが、日本の世論の反発は収まらない。そんな中、ユーチューブ上に公開されている「東京五輪公式反対ソング 東京オリンピックを中止しよう」が一部で話題となっている。同曲は東京招致が決まった2013年に製作され、開催反対の声の高まりとともに注目度が上昇。その製作者を直撃した。


 バッハ会長による「われわれは犠牲を払わなければならない」との発言に、日本では反発の嵐が吹き荒れている。IOCは24日に「日本国民にではなく、五輪関係者、五輪運動に向けた発言」と釈明し〝火消し〟に躍起だが、完全に後の祭り。ネット上では「言い訳がましい」「強行開催することに変わりない」などと怒りのコメントが相次ぎ、火に油を注ぐ格好となった。

 つい先日にはジョン・コーツ副会長(71)が緊急事態宣言下でも五輪を開催することを明言し、世間から猛批判を浴びたばかり。バッハ会長とコーツ副会長の〝ぼったくり&はったり男爵コンビ〟に対する日本国民のアレルギーは強まる一方だ。そんな中、東京五輪の開催中止を求める曲が一部で話題となっている。曲名はズバリ「東京オリンピックを中止しよう」。

 同曲が製作されたのは東京招致が決まった2013年。製作者の「49days」のリーダー・MS氏は「招致が決まったその日に反対ソングを作ろうと思い立った」と話す。まだ日本中が五輪を歓迎していた時に作ったとは驚きだ。MS氏は「多額の国費をかけて一部のアスリートのために運動会を催すことに納得できないだけでなく、スポーツイベントを手放しで喜ぶ国民ばかりではないという多様性を主張したかった」と製作の理由を明かした。

 その歌詞も「僕達の税金遣って運動会をするなら福祉とか復興にお金使おう(中略)大きな花火を上げて馬鹿みたいに騒ぐよりもやるべき事がある筈さ オリンピックを中止しよう」(原文ママ)と、まるで現在を予見したかような内容だ。

 発表当初は「批判されるより笑われていることが多かった」というが、コロナ禍で東京五輪延期が決まった昨年春以降に風向きが一変。「五輪より命が大事」「人命が最も尊い」と共感するコメントが急増したという。MS氏は「オリンピックの欺瞞(ぎまん)を批判しているという点では普遍性のある曲だと気づかされました」と語る。

 さらに「五輪の様々な〝嘘〟をコロナは露呈させ、可視化させたと思います。状況的に考えて開催すべきでないことは小学生でもわかるくらい明白」と改めて主張した上で「1周回って現在は開催賛成です! 開催に向けて努力されているアスリートやステークホルダーの方々には申し訳ないですが、国家イベントが大コケして黒歴史と化す瞬間をこの目に焼き付けて大笑いしたいと思います」と逆説的なコメントで締めくくった。

 強行開催に突き進む〝男爵コンビ〟にも、ぜひ曲の感想を聞いてみたいものだ。

関連タグ: