海外メディアが東京五輪ではボランティアが感染防止のうえで危険な存在になると警鐘を鳴らした。

 オーストラリアメディア「カンバセーション」が、東京五輪が開催された場合の問題点を特集。新たな問題点を浮き彫りにした。

「東京五輪でルールの遵守を確保することは非常に困難だ。主催者はアスリートが違反した場合に出場資格を取り消すとしているが、競技を終えた後に一部のアスリートはルールを破る可能性がある」と指摘。アスリートたちは競技を終えれば出場資格は関係なく、大挙市中に繰り出して感染が爆発するというわけだ。政府は国外退去まで強制はできないとみている。

 続けて「もう1つの懸念は、7万8000人のボランティアだ。その大多数はワクチン接種を受けない。ボランティアのための具体的な手引きもない」。ボランティアは海外から来たアスリートから未知の変異種に感染する可能性があり、そこから日常生活に戻った際に日本中に変異種がばらまかれるとの懸念だ。

 また、ドーピング検査にも問題がある。

「パンデミックのために大会前に薬物検査が思うようにできていないことだ。強力な国内ドーピング防止機関を備えた資源の豊富な国は厳格な検査手順を維持しているが、貧しい国など地方機関に依存している他の国はそうはいかない」。通常大会前に定期的に実施されるドーピング検査が、新型コロナ禍の影響で進んでいない地域もあり、違反薬物を使用していても検出できないケースが相次ぐ可能性があるのだ。

 穴だらけの東京五輪。開催が強行されれば「歴史的惨劇」を招く可能性は十分にある。