俳優の田村正和さん(77)が4月3日、心不全のため東京港区の病院で亡くなっていたことがわかった。葬儀・告別式は近親者で行った。

 時代劇「眠狂四郎」やドラマ「古畑任三郎」シリーズなど、代表作は枚挙にいとまがない。映画だと、最後の作品となったのが2007年の主演作「ラストラブ」だ。米ニューヨークを舞台に、伊東美咲演じる年の離れた女性と恋に落ちる話。「あのときは田村さん、元気で衰え知らずだった」と製作スタッフは振り返る。ただ…。

「知り合いの看護士から、2005年に田村さんは心臓が悪く、検査入院したという話を聞いてます。東京の城南エリアの病院です。田村さんと言えば髪がフサフサですが、当時はその髪も元気がなく、そういうのも隠さず本人は気丈に振る舞っていたそうです」とはテレビ関係者。

 田村さんは10年ほど前から「これでもう最後だ」が口癖で、引退をほのめかすようになっていたという。12年ごろには激ヤセし、ドラマスタッフたちが陰で「田村さん、引退かも」とささやくこともあったとか。

 その12年から3年連続で、テレビ朝日開局55周年記念の特番ドラマに年1本ペースで主演。その3本目、14年1月の「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 三億円事件」で田村さんは俳優人生に幕を下ろそうと考えていたという。それを「周囲が説得し正式な引退発表を止めさせたと聞いた」(同)。

 誰からも愛されたスターだった。